農山村支援センターは、これからの低炭素・循環型社会実現に向けて森林・自然資源をはじめとする農山村の資源や生業、生活文化などを活かし、みどり豊かな、美しく、活気のある農山村を支援するための拠点となることを目指しています。
農山村は、少子高齢化、過疎化、農林業の経済悪化など厳しい状況にあります。 その一方で、森林では、戦後の植林と石油革命以降のライフスタイルの変化によって森林資源が使われなくなり、日本の森林は年々量を増やしています。
現在、森林の整備と活用が課題ですが、建材だけでなく、木材のバイオマス活用として、エネルギー・新素材の面から注目を集めています。
農山村の自然環境や文化、かつての循環型の暮らし方や仕事(なりわい)のあり方も、観光や教育、健康の面から注目されています。
農山村は、多雨で変化に富んだ気候風土において、仕事や暮らしを通じて、山を守り、国土の災害を防ぎ、水をはぐくみ、川や海の豊かさを生み出してきました。その機能が失われつつあり、自然環境や都市部の生活にも大きな影響を与えかねません。
都市や企業では、今日の社会経済状況の変化によって、いくつかの課題を抱えています。地球の温暖化対策への対応、低炭素化、石油をはじめとする輸入資源依存から、国内の持続可能な資源活用への転換が求められています。また、企業や学校などでは「不安」や「心の病」を抱える人たちが増え、心と体の健康回復や、人と人との「つながり」を持って暮らせる社会の再構築も求められています。
農山村には、都市や企業が抱えるこれらの課題に応える「場、モノ、人(文化、技)」があります。
そこで、下流域の都市や企業が、農山村と連携することで、上流域の農山村の循環的な暮らしと仕事を持続させ、お互いが関わりを持ちながら、それぞれの課題を解決し、豊かで、ひとりひとりが幸せに暮らせる社会を作ることが必要です。
農山村支援センターは、都市や企業と、農山村が抱える課題の解決を様々な視点からサポートし、新しいライフスタイルと社会づくりに取組みます。
農山村支援センターは、東京農業大学に本部を置き、同大学と、株式会社森里川海生業研究所、株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所の3事業者が協力して運営を行い、事業を実施します。
農山村支援センター
代 表:宮林 茂幸
(東京農業大学教授・森林政策)
副代表:渋 澤寿一
(株式会社森里川海生業研究所代表取締役社長)
副代表:赤池 学
(株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所代表所長)
農山村支援センターは、平成21年度、平成22年度に実施された林野庁補助事業「社会的協働による山村再生対策構築事業」における山村再生支援センターを母体として設立いたしました。
平成23年度からの農山村支援センターは、大学と連携した民間事業として、山村再生支援センター同様にお問い合せ等は無償でご対応いたしますが、地域支援、企業等のプロジェクト支援につきましては、有償でのプロジェクト化とさせていただきます。