事務局より

2013年3月27日

NPO法人大地実践地域概要

実施主体:NPO法人大地、対象里山林:私有地35ha

 飯綱町三水町のNPO法人大地では、一時桑畑や果樹園になった里山林を在来植生によって再生・整備し、幼児教育の場として活用しています。NPO法人大地は、保育士の資格と経験をもつ理事長の青山繁氏が、都市部での保育士経験あと、幼児の特徴(本性)を自然体で伸ばしてくれる理想の幼児施設をつくりたいとの想いから自身の故郷で立ち上げた、里山を舞台とした幼児教室です。舞台となる里山は、子どもたちが自ら発見し遊びを創出できるような最小限の管理を意識して里山づくりを行っています。また、山菜・キノコ・筍の採取、虫採り、薪を使った調理や風呂焚き、野草を飼育動物の餌にするなど、子どもたちの里山生活体験の中で資源を活用しています。
 平成24年度は、片山雅男教授(夙川学院短期大学教授、当事業専門委員)をお迎えし、子どもたちの散策活動に使われているフィールド内の植生調査と子どもたちの身長にあわせた高さで木札の取り付けを行うとともに、幼児教育の場として里山林空間の活用法、環境管理の手法は配慮ポイントなどの調査を行い、ヒアリングなどを通して現状の取組の検証を行いました。今後の課題、展望は以下のとおりです。

(1)新たな利活用策の検討
 地域内外の多様な主体と交流を図りながら、里山林の特性を十分に生かした取組の展開を検討したいとしています。専門家の指導も受けながら、保育活動や地域活動に役立つ様々な分野での利活用策を検討していきます。

(2)大地活動を契機とした村への移住者の増加と地域づくり
 幼児教室「大地」に入園させるために、これまで30軒近い方々が首都圏をはじめとして各地から移り住んでいるといった実態があり、こうした活動が地域の活性化にも一役買っています。
 移住してきた子どもたちや保護者にとっては自然環境だけでなく里山で暮らし仕事をしている地域の人々の姿や息遣いも大変重要な教育の要素であり、こうした地域の自然・社会環境が保全され守られていることが重要です。里に伝わる民話・民謡などの里山の文化的要素を取り入れた精神を豊かにする活動も重視し展開して取組でいます。里山での幼児教育活動を契機としながら、地域集落の暮らしや日常の仕事(里山・田んぼ・畑(果樹園))へのお手伝いなど地域の人々と接する活動を展開していきます。汗をかく取組を通じて地域ならではの「相互扶助」のコミュニケーションを創出し、地域との絆とネットワークを深め、里山及び里山での子育てに対する地域意識を盛り上げていきたいとしています。