里山林保全活用指針作りのための参考事例集

薪宅配システムによる木質エネルギー利用普及

◆主体名(活動場所)
株式会社ディーエルディー(DLD)(長野県、山梨県)、上伊那森林組合(長野県伊那市)
URL:株式会社ディーエルディー http://www.dld.co.jp/

◆事例の概要
 薪ストーブ等を販売する企業が、間伐材を薪として販売する際、LPガスの供給と同様の、留守でも補充し使用量のみ供給・精算する「宅配システム」を導入し、需要を拡大。薪ストーブの導入促進、木質エネルギー利用促進のシステムを構築した。薪材を供給する上伊那森林組合等は、安定的な間伐材供給先ができたことで間伐材の経済化、間伐の促進が可能となった。

◆取組内容
 株式会社ディーエルディー(以下DLD社)は、平成7年創業、本社を長野県伊那市に置き、東京や仙台、名古屋などに営業所を持つ薪ストーブの輸入販売施工、薪割り機などを輸入販売する事業者である。同社は、薪ストーブ顧客向けにナラの薪を製造・販売していたが、平成19年に薪の宅配システムを開始した。これは、薪ストーブ利用者が広葉樹のナラを好むのに対し、地域での森林整備から出てくる間伐材はアカマツ等の針葉樹が多く、この活用方法を検討する中で始まった。当初、長野県、山梨県の一部をエリアとしていたが、現在は、長野県・山梨県全域を対象として、それぞれの地域の材を薪として供給している。

◆実施体制・仕組み
 宅配サービスを申し込むと、同社が1.5m×1.3m×0.5m程度の専用小型の薪ラックを10月に各家庭の屋外に設置、11月~4月の薪利用シーズン中、定期的に巡回し、ラックの薪の減り具合を確認、ラックに残っている薪を積み直しし、減った分を補充している。薪は、長さ45cmの乾燥薪で、伊那市においてはカラマツなど針葉樹を中心とし、同市内にある上伊那森林組合等と連携して地域の間伐材を活用している。代金は、基本料:月額1,000円、使用料:薪1リットルあたり12.5円としている。支払いは金融機関からの自動引き落としを採用。一度申し込むと、期間中、顧客は発注や精算などの手間をかける必要はなく、簡便な仕組みとなっている。

◆成果
 この取組を推進するため、DLD社と上伊那森林組合は安定供給協定を締結した。森林組合は、間伐材の安定的な供給先を確保でき、間伐材をはじめとする木質バイオマスの経済化が行えている。DLD社は、薪宅配システムが顧客サービスとして有効であり需要が増えていることから、エリアを拡大、さらに、少量使用者に対し「別荘プラン」を設定するなどサービスを拡大している。同時に、薪ストーブ設置事業者として、同社の薪ストーブオーナー会員には割引制度を設けるなど営業的にも活用している。


専用の薪ラック

*写真、図表:DLD社ホームページより